薬物のない学生生活のために

~薬物の危険は意外なほど身近に迫っています~

薬物乱用の最大の怖さは依存形成にあります

一度薬物依存症になってしまった脳は、元の状態に戻らないと考えられています。

■薬物乱用

1回使っただけでも乱用です。医薬品でも1回に1錠飲むよう指示された睡眠薬や鎮痛薬などを2錠も3錠も飲む行為は乱用です。

■薬物依存

自己コントロール出来ずにやめられない状態です(乱用を繰り返すことも依存になります)。

精神的依存

渇望(薬物が欲しいという強い欲求)に抗しきれず、自制が効かなくなった脳の障害をいいます。

身体的依存

薬物の摂取を止めると離脱症状(手の震えや幻覚など)と呼ばれる身体の症状が起こる状態です。

薬物乱用は、あなただけの問題ではありません! 家族も社会も不幸にします!

 

薬物は社会をこわす

薬物乱用を取り締まる法律

持っているだけでも罰せられます。
懲役刑など厳しく罰せられます。

■シンナー等

毒物及び劇物取締法(懲役1年)

■覚せい剤

覚せい剤取締法(懲役10年)

■MDMA

麻薬及び向精神薬取締法(懲役7年)

■大麻

大麻取締法(懲役5年)

■違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)

薬事法(懲役5年)

インターネットなどでは、「合法」「法律に違反しない」などと偽って販売されている危険な薬物があります。中枢神経の興奮、抑制又は幻覚の作用を有する可能性が高く、使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあるものに対しては、厚生労働大臣が「指定薬物」として指定し、製造、販売等の規制が行われています。

■コカイン

麻薬及び向精神薬取締法(懲役7年)

■あへん

あへん取締法(懲役7年)

■ヘロイン

麻薬及び向精神薬取締法(懲役10年)

※規則法律と最高刑「非営利目的の所持・譲渡」

薬物のない社会と学生生活を!

薬物乱用のQ&A

Q1. 薬物を使うと、やせることができたり、勉強がはかどったりするって本当ですか?

A1. 答えはNO!です。
覚せい剤等の薬物は、中枢神経系に作用して、一時的に心身をだまして食欲や眠気をなくすだけです。作用がなくなると異常に食欲が強まったり、強い疲労感、倦怠感や脱力感が襲ってきて勉強どころではなくなります。

Q2. 大麻が合法となっている国があるって本当ですか?

A2. 答えはNO!です。
国際的な取り決め(麻薬に関する単一条約、1961年)では、大麻は規制するべき物質として指定されており、それに基づき、各国には大麻の取締規定があります。大麻が合法であると言っている国はありません。また、我が国では、大麻の不正栽培は、大麻取締法で禁止されています。そのために大麻の種子を所持したり、提供したりすることは、大麻取締法の処罰対象となります。無責任なうわさに惑わされてはいけません。

Q3. 薬物を使うと、生まれてくる子どもにも影響しますか?

A3. 答えはYES!です。
女性が妊娠中に薬物を使うと、死産や早産が起こったり、低出生体重児が生まれたりすると言われています。また、大麻を使うと、男子では精子形成能の低下、精子の異常を、女性では卵巣に影響し月経異常を引き起こすとの報告もあります。

Q4. 薬物の問題で困っているときに、相談できる場所がありますか?

A4. 答えはYES!です。
各都道府県には、薬物乱用防止の相談窓口(精神保健福祉センターなど)があります。薬物問題で困っているときには、相談してみてください。

Q5. 薬物をすすめられたらどう対処すればいいですか?

A5. きっぱり「いやだ!」と言いましょう。
「嫌われる」と思っても、はっきり「いやだ!」と言うべきです。その後に起こる重大な結果を思い浮かべ、最初に「No」を言うことが大切です。きっぱり断る・逃げる勇気を持ちましょう。そのようなものをすすめる友達や恋人は、あなたにとって大切な人ではありません。

参考資料・文献

文部科学省・厚生労働省・警察庁発刊「薬物のない学生生活のために」パンフレット
大学生等における薬物乱用防止のための研修会(本学保健室レポートより)